青少年条例のこと

今回の件に興味を持って初めて知ったのですが、有害図書と青少年条例を巡るあれこれっていうのは、1950年代の悪書追放運動から、ずっと繰り返されてきている事なんですね。(今週の「ゲゲゲの女房」でも登場するそう。予告の「漫画は、健全でなければいけませんわ」って部分かな?)
進歩が無くて不毛だなあ、と思います。「あの時『鉄腕アトム』を焼き捨てたのは浅はかだった」(*1)と反省したり、しないんだろうか。して欲しい。そろそろこの封建的な青少年条例ってやつを見直そうよ、と誰か言って欲しい。(日弁連は、言ってくれてるんですけど。*2


今回の騒動で、一部では「表現の自由」だとか子供の「知る権利」、不快に思う人の「見たくない権利」も含めた深い議論がされてると思うし、自分もいろいろ認識を改めつつあります。都議会議員の中に「そもそも青少年の健全育成って?」を考えるグループが生まれたのも嬉しい(*3)。
でも一方では、東京に追随して「うちも規制したい」という地方自治体(大阪千葉宮崎、もっとありそう)が多く出てきて、彼らは議論の深まりに全く無頓着。そして当の都民は、この問題自体を知らない(知らされてない)。これじゃほんとにエンドレス。
個人的にも、幼年期から思春期にフィクションに救われてきたし、成年になってからも表現物の多様性に救われたりしているので、そういう事がもっと尊重される未来が来て欲しいなあと思っています。その上で、見たくない不快な広告なんかから開放される日が来たらすごくいいなあ。


ところで、京都国際マンガミュージアムでのシンポジウムの動画があまり見られていないのはもったいないので(特に後半の質疑応答の部分)、ここに貼っておきます。

(「見たくない権利」の話は00:36:30辺りから。)


ついでに、都議会裏話動画も(笑)。(東京都議会議員くりした善行ブログ:「5月30日開催 都条例改正問題 最前線!」から)