Voodoo Science

下の記事で書いたこの本、とても読みやすくて面白かったのでおすすめです。

わたしたちはなぜ「科学」にだまされるのか―ニセ科学の本性を暴く

わたしたちはなぜ「科学」にだまされるのか―ニセ科学の本性を暴く

わたしたちはなぜ科学にだまされるのか―インチキ!ブードゥー・サイエンス

わたしたちはなぜ科学にだまされるのか―インチキ!ブードゥー・サイエンス

(私が読んだのは下の単行本だけど、文庫になってるようなので上の方をおすすめ。)


原題は『Voodoo Science』で、アメリカで2000年に発行された本。ニセ科学批判の論客パーク博士(米物理学会ワシントン事務所長)が、ニューヨークタイムズなどに書いた文章をまとめ直した物だそう。元が一般誌に載ったもののせいか、特別科学好きでもなんでもない人間(私)にも分かりやすく、親切な内容でした。
そもそも俗世に生きてる(私のような)人間がニセ科学批判に触れる時、「ニセ科学」側の行動原理は(俗っぽいから)理解しやすいのだけれど、「科学」側にはカルチャーギャップのようなものを感じることが多くて、どうもなんかよく分からない。「ニセ科学の説明の前に、科学界についての説明が欲しい!」と思う瞬間が結構あります……。
この本は、「ニセ科学」批判本なのと同時に「科学」啓蒙書でもあって、そもそも科学ってなんなのか、科学界ってどんな風に機能しているのか、そんな事が繰り返し書かれていて、おかげで今まで漠然としていた科学へのイメージが、大分すっきり腑に落ちました。
パーク博士の文章は平易だけれど非常に熱血で(一番最後の、「科学」と「人間」の素晴らしさを語る文章には、胸が熱くなりました)、その「熱さ」は人を選ぶかもしれないけれど、そこは差し引いても広く読まれて欲しいなあと思う本でした。


でー、アマゾンのレビューや、ニセ科学フォーラムの同行者Mさんには、類書でこちらを薦められているのですが……

カール・セーガン 科学と悪霊を語る

カール・セーガン 科学と悪霊を語る

こっちは大分ごっつそう……。