Royal de luxeとミルハウザー

1年前のブックマークを移してきたきりだったのですが、最近になってふとmixiに情報があるんじゃ?と(ようやく)気がついて、探してみたらとても有り難いコミュニティがありました。そこで教えて頂いた動画情報を2つ転載。

新しい「象」を作っている様子が動画で上がってて、観るとすごく燃えます。でっかい!

「VIDEOS」のところに、数日間の公演の様子をまとめた、たっぷり30分近くのムービーがあります。
見れば見るほど酔狂で、こういう事を贅沢に悠長にやる所が、すごくフランス人っぽいなあ、なんて思うのは偏見なのかしらん(*1)。最後に少女がロケットで飛び去る演出はどうするんだろう?という疑問も解けました。観に来た子供達がなんて言ってるのか気になる。でも全然分からない。
ル・アーヴル世界遺産の街なんですね。日本なら是非、京都の町屋の間なんかをのしのし歩いて欲しい……けどそれはいくらなんでも無理そうなので、来てくれたらどこでも行くぞ!と思っています。


たまたまミルハウザーの「アウグスト・エッツェンブルグ」を読み返したところでした。19世紀後半ドイツの天才からくり人形師アウグスト・エッツェンブルグのお話。
精巧な、人間のような人形を追求するアウグストに、彼の理解者でライバルのハウゼンシュタインが、「ドイツ人は結局は俗物なんだよ。フランス人とは違うんだよ」というような事を言う場面があって、最初に読んだ時はピンとこなかったのだけど、上の映像を見ていたらなんとなく身につまされてきました。
アウグストが苦悩しながら世間に何度も裏切られながら追い求めたような、魂の入ったようなからくり人形が、一転フランスでは太陽の下でのんびり大勢に楽しまれているわけで、確かにフランス人って根本的に余裕があるというか豊かというか、すごーく物好きなひとたちなんだなーと思わされます。

僕は思うんだが、ドイツの最大の問題点はパリに近すぎることだ。麗しき上流社会の幻影がドイツを悩ませ、その眠りを暗くやすらぎのないものにしている。もちろん青き瞳のわれらがドイツ国民にとっちゃ、麗しき上流社会というのは要するに高級な下着に身を包んだファッショナブルな女たちのことだがね。 (「アウグスト・エッツェンブルグ」/『イン・ザ・ペニー・アーケード』)

*1:渦中のフランス大統領選、たぶんフランス人のこういうところ=ロワイヤル路線なのかなーと。どうなるのかなあフランス。