ジャンゴとブコウスキー/デス・プルーフとマッハ!!!!!!

吉祥寺バウスシアターで『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』を観ました。
誰も付き合ってくれないので、1人で行きました。『IZO』以来、三池作品は周囲の人からすっかり信用が無くなってしまいました。


『スキヤキ・ウエスタン』は『IZO』よりはずっとずっと観やすかったんですけど、でも感想を一言で言うと、「(昔)男の子(だった人)達の西部劇ごっこチャンバラごっこを、延々見せられる苦行」でした……。ごっこネタのひとつひとつは多分だいぶ分かったけど、それが分かったからって何なんだ!(あと「棒読み英語を延々聞かされる苦行」でもあって、マカロニウエスタンがイタリア語なんだから、スキヤキウエスタンも日本語で作って、輸出バージョンは吹き替えちゃえばいいじゃない……。)
最初から最後までごちゃごちゃした雑念に苛まれながら観てたので、映画が終わる頃には、疲れてぐったり。
口直しにレイトショーの『酔いどれ詩人になるまえに』(作家ブコウスキーの伝記物)を観て帰りました。こっちは映画にすっと入れて、ほっとする。『スキヤキ・ウエスタン』でさんざんキツい黄色の画面を見た後に、ほんものの黄色い自然光を見れて、ほっとする。


後で思ったけど、これって先日『300』を観てぐったりした後、やっぱりバウスシアターのレイトで『毛皮のエロス』(写真家アーバスの伝記?物)を観てほっとして帰ったのと、まったく同じコースでした。『酔いどれ詩人になるまえに』も『毛皮のエロス』も、実在のアーティストの世に出る前夜を描いた映画で、そっくり。バウスシアターのレイトショーって、こんな作品ばっかりやってるのかなあ。


『スキヤキ・ウエスタン』にはタランティーノが伝説のガンマン役で出てくるんですけど、そのタランティーノの『デス・プルーフ』は、すごーくすごーく楽しかったです。観ながら「ほんとにやってるよ!」と思ってしまうところが、ちょっと『マッハ!!!!!!』にも通じる面白さで、広くおすすめ。私が見たのは2本立て用の短いバージョンなので、日本版も観たいなあ。


ブコウスキーは何年か前にドキュメンタリーの『オールド・パンク』を観ました。私は『くそったれ!少年時代』くらいしか読んでない薄いファンなんですけど、それでもブコウスキーが生きて動いて酔っ払って喧嘩してぼやいてる姿は、すごく魅力的。


結局やっぱり本物は良いって事なんだろうけど、自分自身が作り物や「ごっこ」に無縁で居られないので、人事じゃあ、無いのですよね。うーん。


くそったれ!少年時代 (河出文庫)

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ブコウスキー:オールド・パンク [DVD]

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