佐久間さんの事

あの本


「あの本」にお目に掛かりに行ってきました。


思えば去年の4月ごろ、都条例改正問題関連で辿り着いた、「静岡市の図書館をよくする会」の『タイ買春読本』と「図書館の自由」に関する記録
そこに残されていた佐久間美紀子さんの文章はあまりにもかっこよく、こんな眠たい土地柄にこんな毅然とした文章を書かれる方が居るなんてと驚かされたものでした。(『ザ・コーヴ』についてのエントリでも引用させていただいています。)
ご縁があって、その佐久間さんの講演会のチラシを作る事になり、じゃあ舞台になった図書館の写真をと撮影に赴き、そろそろ退出しなければという段になって、はた、と気づきました。
佐久間さんの名文の前にすっかり存在が霞んでいたのですが、そういえばこの記録の中に出てくる「悪書」は、静岡市中央図書館に今も保存されいるはずなのです。
そうか、そうだった。というかその為に佐久間さん達の奮闘があったのだものな〜。この権利を行使しないのはあまりにも間抜け。もう時間も遅いけど、見ないと!
そんな訳で、一度離れた図書館に舞い戻って、まっすぐカウンターへ。「この本は地下にあるので、ちょっとお待ちくださいね」と言われ、待っている間はちょっとどきどき……。どんなアングラで俗悪な雰囲気の本が出てくるのかと思いきや、現れたのは案外かっちりした地味な外見の本でした。ふーん。挟み込まれた短冊を見せられながら「有害図書なので〜」と注意を受けるも、年齢確認も無くそのまま手渡し。
時間が無いので中身はパラパラ程度見るに留めて、撮ってきたのが上の写真です。


この本が地下から出されてくる間、写真を撮っている間、思っていたのは、この文字通りの「レッテル」がこの本の価値を上げているんだなあ……という事でした。
この本を「追放」しようとしたカスパルのみなさんが、結局この本をこんな風に仰々しく扱われる、ある意味「伝説の」本に祭り上げたんだなあ、と。馬鹿馬鹿しいような、これだからメディアは面白いような、不思議な感じです。


そんなこんなで、チラシも無事出来ました。


うぐいすリボン主催『「図書館の自由」と「有害図書制度」を考える』


うぐいすリボン主催の佐久間美紀子さん講演会、良かったら是非。私もとても楽しみです。