『子どもの最貧国・日本』
非実在青少年の青少年条例問題から、性教育の不足の話(*1)になり、性教育の話から貧困の話になって、『子どもの最貧国・日本』を読んでみました。
- 北へ。の国から:教師という強者 「鈴木先生」第7巻:本書を知ったきっかけの「鈴木先生」批評。
- 作者: 山野良一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/09/17
- メディア: 新書
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折りしもシングルマザーの子供遺棄の事件報道があって、ほんとにやるせない気持ちになりますが……。
↓のリンク先にも掲載されている、「政府介入前後の貧困率」のグラフはショッキング。何もしてないどころか、悪化させてる日本です……。(逆にフランスはすごいな。)
こういう話になると、実体験だけで語られると「全体ではどうなの?」と思い、統計だけで語られると「でも現場はどうなの?」と思ってしまうのですが、この本は著者の日米の児童福祉現場での実体験と、統計からの視点がバランス良く入っていて、(私のような)入門者にも良書だと思いました。
日本が、国際的な経済成長の研究には非常に積極的なのに、同様の貧困研究には参加しようとしない(データを提供していない)、というのもショッキング。
80年代からの福祉削減の事も。子供の頃に「日本は豊か」「日本の子供は幸せ」と言われ続けていたのはなんだったのかな……。
日本の子供の貧困にぴんと来ない人、児童虐待の事件に心を痛めてる人、子供は嫌いだという人にも読んで欲しいなあ。簡単な感想ですが、おすすめです。
で、やっぱり性教育は大事。6月に聞きに行った『ポンコツ in 静岡』で、参加されていた女性が高校生の娘さんへの性教育に「うちは私も夫も昔ながらで……」と悩んでおられたのが印象的でした。不安な親御さんに真に必要なのは、漫画の規制よりそっちのサポートでしょ……!と切に思う。
link
- TBSラジオ Dig「性感染症と性に対する意識を考える」荻上チキ・外山惠理:都議会の参考人招致で飛ばしておられた赤枝先生も登場します(笑)。番組最後のまとめで、「性教育について、権利や貧困の視点からもまたやりたい」との事なので期待!
- ポンコツ★表現規制問題堂 初心者の為の表現規制問題:『ポンコツ in 静岡』で使われていた資料が、福来さんのブログで公開・更新中。家族・福祉の視点からの表現規制問題解説は貴重です。
- プラットフォーム静岡 : 白田秀彰先生 講演会「物語世界とセクシャリティ〜自由の価値と、規制の現状を考える〜」:『ポンコツ in 静岡』の荻野さん企画のお知らせ。テーマは米国のバーチャル児童ポルノ規制違憲判決について。