『子どもの最貧国・日本』

非実在青少年の青少年条例問題から、性教育の不足の話(*1)になり、性教育の話から貧困の話になって、『子どもの最貧国・日本』を読んでみました。

子どもの最貧国・日本 (光文社新書)

子どもの最貧国・日本 (光文社新書)

折りしもシングルマザーの子供遺棄の事件報道があって、ほんとにやるせない気持ちになりますが……。
↓のリンク先にも掲載されている、「政府介入前後の貧困率」のグラフはショッキング。何もしてないどころか、悪化させてる日本です……。(逆にフランスはすごいな。)


こういう話になると、実体験だけで語られると「全体ではどうなの?」と思い、統計だけで語られると「でも現場はどうなの?」と思ってしまうのですが、この本は著者の日米の児童福祉現場での実体験と、統計からの視点がバランス良く入っていて、(私のような)入門者にも良書だと思いました。
日本が、国際的な経済成長の研究には非常に積極的なのに、同様の貧困研究には参加しようとしない(データを提供していない)、というのもショッキング。
80年代からの福祉削減の事も。子供の頃に「日本は豊か」「日本の子供は幸せ」と言われ続けていたのはなんだったのかな……。


日本の子供の貧困にぴんと来ない人、児童虐待の事件に心を痛めてる人、子供は嫌いだという人にも読んで欲しいなあ。簡単な感想ですが、おすすめです。





で、やっぱり性教育は大事。6月に聞きに行った『ポンコツ in 静岡』で、参加されていた女性が高校生の娘さんへの性教育に「うちは私も夫も昔ながらで……」と悩んでおられたのが印象的でした。不安な親御さんに真に必要なのは、漫画の規制よりそっちのサポートでしょ……!と切に思う。


link

*1:「正しい性知識の無い子供が、漫画の性的ファンタジーを信じちゃったらどうするの」→それはそもそも性教育が足りてないのでは、という話。