The Old Church at Petäjävesi

NHKの「世界遺産」でやっていた、フィンランドの『ペタヤベシ(ペタヤヴェシ)の古い教会』に目が釘付け。これは一体なに?ムーミン谷のような鱗屋根の建物で、内部にも絵本のような聖者像があり、壁も屋根も梁の飾りもシャンデリアも何もかもが木造にペンキ塗りで、なんというか、教会と言うよりは「教会の模型」みたい。素朴な木のおもちゃに似た雰囲気。


この教会は18世紀のもので、地元の大工の棟梁が、当時はるか遠くで流行っていた「バロック様式」とやらいうものを、想像で作ったのだとか。うわ〜、なんていい話なんでしょうか……。模型っぽさにも納得。内部には12使徒ならぬ12人の大工のサインが残っているそうで、それもなんだかすごくいい。
加えて思い出したのは三鷹国立天文台で、今は歴史館になっている大赤道儀室の木造のドームが、造船所の協力で造られたという話です。当時の日本でそういう(木の、大きな、丸い)建造物を作れるのが、船大工だけだったとか。この教会の内部もそういえばなんだか船っぽくて、三鷹天文台と同じように、造船の技術で作ったんじゃないかな〜。北欧といえばバイキングだし、船には縁が深そう……っていうのは、単純すぎ?
とまれ、威厳とは程遠い、素朴な可愛らしい、でもすごく工夫や想像力や祈りに溢れた、とても魅力的な教会で(武器預け庫があるのもたまらない)、いつか本物を見てみたいな。しかし気軽に訪れるには、ものすご〜く便の悪そうなとこです……。